第29回あらすじ
明治政府に出資した栄一は各省の垣根を超えた改正掛を立ち上げ、杉浦や前島を静岡から呼び寄せる。改正掛は租税の改正、貨幣や郵便制度の確立など、新しい国づくりに邁進するが、旧幕臣の活躍をよく思わない者との対立が生じてしまう。そんな中、栄一は久しぶりに惇忠に再会する。
栄一は各省庁の垣根を超え、改正掛を立ち上げ、足りない人員は各省庁から兼務とし、さらに静岡藩から人材をさらに増やしたいと言う。さらに、問題なのは経済や外交などの新しい知識を持つ者が新政府にはいないのが問題だと言う。異国帰りの旧幕臣はたくさんいると言うと、それに対して大隈重信は反発するが、伊藤博文は栄一の提案に賛成する。藩や藩主ももう不要で旧幕臣でも経済や外交に精通するものがいればどんどん登用すべきだと、さらに年寄連中のうだうだした話し合いも時間も手間もかかって全然新しくないと言う。大隈もその意見に賛同した。栄一は新政府にも柔軟な考え方ができる人間がいるんだと感心した。
伊藤様や大隈様みたいにうまくいかない新政府の役人たち
こうして民部省内に改正掛が設置され、栄一は大蔵省に勤めながら、その掛をまとめることになった。しかし皆が大隈重信や伊藤博文のように話が通じるわけではない。旧幕臣の活躍が面白くない大蔵省官吏の岩倉藩士・玉乃世履を筆頭にほかの者たちも不満を口にする。さらに渋澤は静岡から有能な人材を登用しようと杉浦、前島を呼び寄せる。新政府に一人も知己いなかった栄一にとって、杉浦たちの存在は心強い。
静岡藩の人間が加わり、改正掛会議が行われるも・・・・
「飛脚」、「戸籍」、「殖産」、「電信」、「鉄道」、など皆の意見をとりかわしました。しかし会議の後、元幕臣の、それもまだ三十そこそこの若者が高位の役職に就けたというので、不満を持つ官僚たちが大隈の執務室を訪れた。中でも栄一の部下になった玉乃は怒り心頭である。栄一が旧幕でしかも百姓あがりというのが気に入らない。そんな時、栄一が部屋に入って来た。これまで日本になかった制度や期間を作り出すのだから、寝る暇もないことは想像に難くない。報告を終えると同時に一礼すると、栄一は慌ただしく出口にむかった。大隈が返事をした時にはもう部屋に栄一の姿はなかった。
改正掛で戸籍法案、度量衡国際基準化、東京横浜間測量など、次々と法律を改正へ
明治3年になり改正掛では、戸籍法案、度量衡国際基準化、東京横浜間測量、蚕卵紙鑑札交付など、次々と皆のアイデアを実現し、実行していった。そんな中、前島が「飛脚便」の案と「鉄道憶測」を持ってきた。「鉄道憶測」は鉄道を開設するのにどれくらいの経費がかかり営業収入が見込めるかをまとめた収支計算書である。しかし、金が2000万かかるという。さらに、官で養蚕のことを一番知っているということが伝わり、その仕事も任されます。
栄一たちの八面六臂の働きぶりを目の当たりにして、先に反対した者たちも認めざるをえなくなってきていた。そんな時に大隈の元に大久保利通がやってくる。旧幕の活躍が気に入らない利通に大隈は穏便に事を進めようとするがうまくいかない。言われぱなしで我慢ならない栄一は口を挟んだ。しかし、所詮は下っ端の役人だけに大久保の怒りを買っただけであった。さらに五代がおれば旧幕になど頼らないと言う。五代は大阪経済の救世主といってもよく、何やら面白くなく一方的に敵対心を燃やす栄一であった。
前島、郵便の父へ! しかし大隈様が民部省を追い出される
前島の計算ではいまの飛脚の価格より安くなると言うのです。そして前島は飛脚をあたらしく「郵便」という名前にして「日本の郵便の父になる」と宣言していた。前島はエゲレスは実際にどのように行われているのかについて研究に旅立ちました。前島のいない間は杉浦が担当することになりました。やり取りしているところに伊藤博文がやってきます。大隈が民部省を追い出されたと言います。 大隈は改革を嫌う保守派に嫌われていたのです。栄一は怒りますが、しょせん下っ端の役人ですから上の命令には従うしかありません。落ち込んでトボトボと帰ると、惇忠がやってきていました。栄一は蚕に詳しい惇忠が新政府に来てくれないかと言いますが、仲間を新政府に殺された俺が新政府に協力するということは裏切りなのでそれはできないと栄一に言いました。しかし、栄一は戦が人をおかしくするだけであり一人、一人は悪くないので仲間に顔むけできなくても自分が国を救えるならなんだってすると主張する。
玉乃が力を合わせたいと栄一の元へ
玉乃は栄一の仕事ぶりはすごいので無礼な事を言って申しわけなかっと謝罪し、力を合わせたいと言ってくれました。栄一は玉乃が清廉潔白な人物であったことに嬉しくなりました。さらに惇忠が来てくれました。栄一は惇忠をフランス人技術者のブリュナを引き合わせました。
ついに郵便が開始へ
伊藤博文がメリケンの出張が必要だと栄一に語っていると大蔵少輔になったという井上馨が居た。栄一の上司になるようだ。さらに明治4年ついに新式郵便が開始された。杉浦と栄一は手紙が届いたことを手を取り合って喜び合います。そして栄一は静岡の慶喜に手紙を送ります。慶喜は手紙を微笑みながら読みます。
第29回「栄一改正する」を見た感想
栄一の身分とか立場とかを気にせず、ただ国を発展させたいという志に感動した。さらに戦争は何も生まず、お互い傷つけ合うだけだとおもう。仲間に裏切り者だと言われても国を発展させたいという志に感動した。